2012年07月18日

最期の時のこと


くろは、私が見守る中、静かに息を引き取っていきました。


その瞬間のことは、とても鮮明に覚えています。

でも、その前のことは、よく覚えていないんです。


まさか、あの時、あのまま逝ってしまうなんて、夢にも思わなくって・・・


私は、一度、眠っており、夜中にくろが嘔吐する音で、目が覚めました。

でも、実はこの時、すぐには起きなかったんです。


嘔吐、と言っても、食後でなければ、何も吐きださないので、酸素ハウス内が汚れることはありません。

もう、しょっちゅうだったので、音で様子を感じながらも、そのままにしておくことが多くなっていました。

介護の疲れも、かなり溜まっていたように思います。


少しして、「落ち着いたみたいだな」と、枕元においていた小さな懐中電灯で、くろの様子を伺って、次の瞬間、私は飛び起きました。


別に、苦しそうな顔をしていた、とか、息が乱れていた、ということではないんです。

言ってみれば、いつも通りの様子。


なのに、「起きなくちゃ!!」って思って、飛び起きたんですよね。


今から思うと、何かの啓示だったのか・・・

それとも、くろの様子の 「なにか」 が、いつもと違っており、それを感じたのか・・・


酸素ハウスの扉を開けてみると、なんか、すえた様な匂いが。

おむつを確認すると、下痢してました。


あわてておむつをはずして、その後はもう、バタバタ。


くろのお尻をふいて、室内がちょっと汚れたので掃除して、雑巾を洗って・・・ と、酸素ハウスと台所を行ったり来たり。


四足動物の本能なのか、くろはこの間、ずっと立ちあがってました。

そして、少しウロウロと歩いていたように思います。


片づけと掃除が一段落して、くろの元に戻ってみると、疲れた様子で、ベチャッとした姿勢で横になってました。

ここんとこ、そんなベチャっとした姿で横たわることは、多くなってたんです。


その寝姿を、私は、くろの傍に座って、じ〜っと見てたんです。

この時、私が何を思っていたのかは、覚えていません。

多分、何も考えていなかったのだと思います。


ただ、黙って、くろの寝姿を見つめていました。

別に声をかけることもなく、体をさすることもなく・・・


くろの様子は、とても落ち着いていました。

そして、ある瞬間、体が少しだけ硬直したかと思うと、静かに全身から力が抜けて行きました。

その様子は、魂がすぅっと、体から抜けて行くような感じ。

よく言われる、最後の一吠えも、ありませんでした。

呼吸の乱れも、痙攣も、全く無かった。


見つめている私は、不意打ちをくらった、という感じ。

え、まさか? え、そうなの?? って・・・


心臓を触ってみると、鼓動が、なかった。


この時、一瞬、「心臓マッサージをしたら、息を吹き返すかな」と思ったこと、覚えてます。

でも、やめました。

これ以上は、苦しみを長引かせるだけ。


ドラマだと、こういう時、「くろ! 逝っちゃヤダよぉ〜!!」とか言って、泣き叫ぶんでしょうね。

でも、涙は全く出ませんでした。


思ったことはただひとつ。

「大変! 身を清めてあげなくちゃ!!」って。

その後は、またバタバタ。


一通りのことが終わった後は、呆然と、その亡きがらを見つめてました。

涙は、一粒も出なかった。

ただ呆然と、その姿を見つめていた覚えがあります。



くろ、私が傍に戻るまで、待っててくれたのかな・・・




posted by Maggie at 20:07| Comment(6) | 旅立ち